150年以上光浦醸造が作り続けている麦みそ「光うらの麦みそ」。
光浦醸造といえばフロートレモンティーを作ったり、変わったストローを作ったりしていて、一体なんの会社なのかと思うかもしれませんが、実は私たちの目的はずっと変わっていません。
この「光うらの麦みそ」を、ひとりでも多くの方に愛用して欲しい、ということです。
そしてそれは、みそ加工品やみそスイーツなどとしてではなくただ単純に、「毎日のお味噌汁」として使って欲しいし、使っていることを忘れてしまうほど、空気のようなお味噌になって欲しいのです。それだけ引目なく真面目につくっているし、味に自信があります。
しかしそれは、かなり"つくり手"としての主観が入っているとは思います。
全国で4%にも満たないシェアである「麦味噌」は、万人受けする味ではないかもしれないし、そもそも全国に点在する味噌屋が作る「味噌」は"全部"美味しいんです。
そんな中、私たちがどのようにつくっているか。
あまり特別なことはしていませんが、一生懸命、ずっとつくり続けています。
ここでは私たちの味噌づくりについてご紹介します。ちょっと長いですがお付き合いください。
ここが味噌工場です。江戸時代より山口県防府市大道の地でつくっています。
ちなみに昔の住所は吉敷郡海岸通。目の前は今も海です。
工場から見えるくらい近くには麦みその原料になる麦畑があります。
「光うらの麦みそ」は山口県産の麦を使用しています。仕込みの休憩中に麦畑が見えるのは少し気分が良いものです。
ここが麹づくりの中心地、麹室(こうじむろ)。
仕込みのある3日間、ここで作業が行われます。
「光うらの麦みそ」は、大豆の2.5倍と多くの麦麹を使用するため、麹づくりは味を左右します。
数時間に一度行う「手入れ」。文字通り手仕事をしています。
一方こちらは麦みそのもう一つの主原料、大豆。山口県産の大豆を使用しています。
一晩浸漬させた後、圧力釜で大豆を蒸煮します。
初めて体験すると飛び上がるほど大きな音がでます。
いつも通り、上手に仕上がりました。
小指と親指の二本で潰れるくらいの柔らかさが目安です。
専用のミンチを使って大豆を潰していきます。
大豆の良い香りが漂います。モンブランみたいに出てくる大豆ミンチ。これが本当に美味しい!!
カンカンカンカン・・・・という音と共に、ベルトコンベアで混合缶に運ばれていきます。
一方こちらは出麹(でこうじ)の作業。3日間育てた麦麹を麹室から出します。
パラパラだった麦の粒が菌糸で板状になっているので、よく解してから混合缶に入れていきます。
最後に塩。原材料は大豆と麦麹と塩のみ。「光うらの麦みそ」の塩分は10.1%です。
塩分が低い味噌なので、塩が均一に混ざるように工夫して入れていきます。
原料を全て混ぜ終わったら桶に仕込んで熟成させます。写真は木桶ですが、最近はプラスチックの桶も使用しています。
これは何でしょう?
正解は、木桶に使用する蓋です。木桶は一つひとつ大きさが違うので、毎回パズルのように調整して蓋をつくっています。重石はこれまた文字通り「石」です。
2ヶ月程度の熟成期間を経て、おみそが完成します。
たった2ヶ月なんですか?というご質問をよくいただきますが、お味噌にはそれぞれに適した配合があり、一概に長く熟成させれば良いというものではありません。麹の比率や原料、塩分などから「光うらの麦みそ」の最適な熟成期間を定めています。
簡単にいうと、麹が多ければ多いほど大豆のタンパク質を早く分解するので、短い熟成期間でゴールを迎えます。
麦麹の香りが豊かで、甘くて優しい味わいが「光うらの麦みそ」の特徴です。
赤味噌のような濃厚なコクは控えめですが、その代わり具沢山のお味噌汁にしてもエグミが出ずによく合いますし、どんなダシにも相性が良いと思います。
一汁一菜。
お味噌汁なのか煮物なのか分からないくらい、たくさん旬の野菜を入れてお召し上がりください。
やっぱりお味噌汁って美味しい!
これからもずっと作り続けていく「光うらの麦みそ」を是非一度お試しくださいませ。